迷路みたいな青い街、湯気の立つミントティー、坂道をのぼる黄色い路面電車、そして童話のお城。モロッコとポルトガル——大西洋をはさんで隣りあう2つの国を、6歳のいまだから歩ける7日間に。
2つの国は、大西洋をはさんでお向かいさん。飛行機ならたった1時間半で行き来できます。かたや、白と青に塗られた迷路のような旧市街(メディナ)と、香辛料の山が並ぶ市場。かたや、坂と石畳とアズレージョ(青いタイル)の港町と、絵本から抜け出したようなお城。色も匂いも音もまるで違う2つの世界を、ひとつの旅でつなげられる——これがこのルートの面白さです。
6歳は、歩ける・覚えられる・写真におさまってくれる、旅のいちばんいい時期。ラクダにさわった記憶も、路面電車の窓から見た坂の街も、ちゃんと「思い出」として残ります。とはいえ7日間で2か国は、欲張ると移動だらけに。だからこの特集では、拠点を絞って“ちょうどいい密度”にした過ごし方を3つ。家族のテンションに合わせて選んでください。
ポルトガルの夏は“当たり”の季節。からっと晴れて湿気が少なく、大西洋の風がさわやか。リスボンやポルト、海辺の町はベストシーズンです。いっぽうモロッコの内陸(マラケシュ等)は真夏は40℃近くまで上がる酷暑。子連れで真夏のマラケシュ終日観光はかなりハード。夏に行くなら、標高があって涼しいシャウエン(青い街)や、大西洋に面したエッサウィラ・タンジェなど“海・山側”のモロッコを選ぶのがコツ。あるいは、暑さがやわらぐ5〜6月/9〜10月に時期をずらせば、内陸の街もぐっと回りやすくなります。どのプランも、モロッコ側は午前と夕方に活動を寄せ、いちばん暑い昼間は宿のプールやお昼休みに——を基本にしています。
せっかくなら両国の「これぞ!」を見たい家族に。前半はマラケシュで市場・宮殿・庭園のエキゾチックな世界、後半はリスボンと近郊シントラで路面電車とお城。2拠点だけに絞るので、7日間でも移動でへとへとになりません。
中東またはヨーロッパで1回乗り継いでマラケシュへ。到着後はリヤド(伝統建築の宿)にチェックインし、初日は無理せず。中庭で休んで時差を整えます。
色とりどりのタイルと天井装飾が美しいバヒア宮殿、青が鮮やかなマジョレル庭園。何ができる?=中庭でかくれんぼ気分の探検、青い壁の前で記念写真、サボテンや池の鯉さがし。涼しい午前のうちに回ります。
日が傾くと屋台がずらりと並び、ヘビ使いや大道芸でにぎわう世界遺産の広場。何ができる?=しぼりたてオレンジジュース、屋台の食べ歩き、太鼓や芸の見物。広場を見下ろすカフェの2階席からながめるのが安全&快適。
午前にゆっくり宿を出て、空路でポルトガルへ。直行便なら1時間半ほど(カサブランカ乗継の場合も半日で到着)。夕方リスボン着、宿で休みます。
黄色いレトロな路面電車(28番)でリスボンの坂をガタゴト。何ができる?=電車そのものがアトラクション、車窓観光、丘の上の展望台(ミラドウロ)でジュース休憩。アルファマの細い路地さんぽも。
大航海時代のベレンの塔とジェロニモス修道院、そして名物エッグタルトの本店。何ができる?=川辺の広場でかけっこ、塔の見学、できたてタルトを頬張る。芝生や水辺が多く子どもが解放される。
リスボンから電車で約40分。黄色と赤に塗られた“絵本のお城”ペナ宮殿と、山の尾根に続くムーアの城壁。何ができる?=カラフルなお城探検、城壁の上を歩いて「お城ごっこ」、森の散策路。
最終盤は予定をゆるめに。水族館(オセアナリオ)や海辺のカシュカイシュへ足をのばすのも◎。リスボンから乗継1回で帰国の途に。
💰 予算めやす:2か国+乗継のため航空費が中心。家族3人で55〜90万円目安(時期・乗継・宿で変動)。夏休みピークは高騰。5〜6月/9〜10月に外すと航空費も暑さも抑えられます。
真夏でも快適に、そして「写真が映える」を優先したい家族に。モロッコ側は標高があって涼しい青い街シャウエン、ポルトガル側はワインの川がながれる古都ポルト。どちらもコンパクトに歩けて、迷路や坂そのものが遊び場になります。
モロッコ北部の玄関口タンジェ(または乗継でフェズ)まで空路、そこから車で山あいのシャウエンへ。山道なので明るいうちに移動。着いたら青い旧市街の入口だけ夕さんぽ。
壁も階段も扉も、ぜんぶ青。何ができる?=青い路地めぐり、ねこ探し、色とりどりの毛織物や民芸品ひやかし、坂の上のスパニッシュ・モスクから街を一望。迷路歩きが宝さがしみたいで楽しい。
旧市街のはずれにある小さな川と滝のスポット。何ができる?=冷たい湧き水で足を冷やす、河原で休憩、地元の子どもたちの水遊びを見物。暑い午後のクールダウンに最適。
タンジェから空路でポルトガルへ(リスボン乗継または直行便を利用)。夕方ポルト着。ドウロ川沿いの宿で一息。
世界遺産のカラフルな川辺の街並みと、2層の鉄橋。何ができる?=川沿いさんぽ、橋の上から船を見下ろす、ラベロ船(昔のワイン運搬船)ウォッチング。坂の街なのでケーブルカーも楽しい。
“世界一美しい本屋”とも言われるレロ書店の赤いらせん階段、名物の焼き菓子やホットチョコ。何ができる?=物語の世界みたいな階段見物、絵本さがし、カフェ休憩。混むので入場予約を。
余力があれば近郊の海辺の町や、リスボンへ移動して1泊足すのも。最終日は乗継1回で帰国します。
💰 予算めやす:北部周遊は移動が増えるぶん航空・送迎費が上乗せ。家族3人で55〜85万円目安。シャウエンは宿・食事が比較的リーズナブルで、滞在費自体は抑えやすい。
「7日間で2か国はちょっと欲張りすぎ?」という家族へ。ベースはポルトガル(リスボン&近郊)にどっしり構え、モロッコは涼しいシャウエンか海辺のタンジェを“ちょい足し”する、いちばん移動が少ない組み立て。お城・海・水族館で6歳がしっかり遊べます。
ヨーロッパで1回乗り継いでリスボンへ。アパートにチェックインし、初日はスーパーで買い出しして部屋でのんびり。
黄色いトラムで坂の街めぐり。何ができる?=乗り物観光、展望台でジュース休憩、路地のかくれんぼさんぽ。歩きを減らしつつ街を満喫。
ベレンの塔・修道院と、名物タルトの食べ歩き。何ができる?=川辺の広場でかけっこ、塔の見学、できたてタルト。フラットで歩きやすい。
カラフルなペナ宮殿に加え、井戸の中をらせん階段で降りる“ふしぎ庭園”レガレイラ。何ができる?=お城探検、秘密の地下トンネルくぐり、庭の洞窟めぐり。冒険ごっこが止まらない。
“ここに地果て、海始まる”の石碑が立つ大西洋の断崖。何ができる?=最果ての記念写真、灯台ながめ、到達証明書(有料)づくり。風が強くダイナミック。
リスボン近郊の上品なリゾート町。何ができる?=穏やかな入り江ビーチで砂遊び・水遊び、旧市街のアイスクリーム、海辺の遊歩道さんぽ。夏は海水浴も。
大西洋と地中海が出会う港町タンジェへ。何ができる?=旧市街(メディナ)さんぽ、丘の上カスバからの海の眺め、ミントティーとモロッコ料理デビュー、海辺の散歩。短時間でモロッコの空気を味わえます。
リスボンに戻り、最終日はヨーロッパ最大級の水族館オセアナリオへ。サメやマンボウに見送られて、乗継1回で帰国の途に。
💰 予算めやす:1拠点+短い片道訪問で移動を抑えるぶん、3案でいちばんコスパ良好。家族3人で50〜80万円目安。リスボン連泊アパート+自炊でさらに圧縮可。
7日間で2か国は、欲張ると移動だらけ。だからポルトガルに腰を据えて、モロッコは涼しい海辺を“ちょい足し”するCがいちばん体にやさしく、童話のお城・最西端の絶景・ビーチ・水族館と、6歳が夢中になる体験がそろいます。両国のハイライトをガッツリなら「A・王道2都市」、写真と雰囲気を楽しむ大人っぽい旅なら「B・青い街と港町」。なお内陸マラケシュをしっかり歩くなら、酷暑を避けた5〜6月・9〜10月が断然おすすめです。