東京から特急で約1時間半。目の前に富士山、まわりはぶどう畑。夏の名残と秋のはじまりが重なる9月の山梨は、涼しい高原と甘い果物が待っています。2歳の「はじめての遠出」にちょうどいい、近くて濃い旅先です。
朝、河口湖のほとりに立つと、正面にどんと富士山。湖面に映った“逆さ富士”に、2歳が「おやま!」と指をさす——そんな一枚が撮れるのが、この季節の山梨です。夏の入道雲が抜けていく8月末から9月は、空気が澄んで富士の輪郭がくっきり見える日が増えてきます。
山をおりれば、そこはフルーツ王国。勝沼のぶどう園では、房を見上げて自分でパチンともげるのが子どもには大うけ。もぎたてのシャインマスカットは、皮ごとぷちっと甘い。昼は高原で涼み、夕方は温泉から夕景の甲府盆地をながめる。移動が短いから、お昼寝の時間もちゃんと守れます。背伸びしない、けれど満ち足りた三日間です。
富士山がいちばん見えやすくなる季節です。真夏は雲やもやで隠れがちな富士が、秋の空気が入りはじめる9月は朝夕にくっきり顔を出します。さらにぶどう狩りが最盛期——巨峰は8月〜9月、シャインマスカットは9月が食べごろ。標高1,000m超の清里・八ヶ岳は真夏でも平均で東京より5〜6℃涼しく、暑さに弱い2歳の避暑にぴったり。桃の時期(7月)は過ぎますが、「富士+ぶどう+涼しい高原」がそろうのは、この初秋だけです。
富士五湖のひとつ、河口湖に2泊。見どころが湖のまわりにコンパクトに集まっているので、車で15〜30分圏内をのんびり回れます。富士山を正面に見ながらの湖畔さんぽと、透きとおる湧水の里。2歳の遠出デビューにやさしい王道プランです。
新宿から高速バスで約1時間45分、または特急「富士回遊」で乗り換えなし約1時間50分。着いたら荷物を宿に預けて、まずは湖畔へ。初日は無理せず、景色に慣れる日に。

河口湖の北岸、富士山を真正面に望む花の公園。夏の終わりはコキア(ほうき草)が色づきはじめ、ラベンダーの名残も。芝生が広く、湖に向かってベビーカーでそのまま散歩できます。何ができる?=花畑さんぽ、富士山の記念写真、併設のカフェでひと休み。

富士山に降った雪や雨が、20年かけてろ過されてわき出す8つの池。青く透きとおって池の底まで見えるのが名物で、大きな魚が泳ぐ様子も。世界文化遺産・富士山の構成資産のひとつ。何ができる?=池めぐり、水車小屋の風景、名物のよもぎ餅や湧水コーヒー。
河口湖畔から天上山の山頂へ、約3分で登るロープウェイ(忍野から車で約20分)。山頂の展望台からは富士山と河口湖が一望。何ができる?=ゴンドラ乗車、展望デッキ、たぬき茶屋のおだんご。乗り物好きの2歳には“ゴンドラ体験”そのものがごほうび。
最終日は詰め込まず、湖畔のカフェで朝食を。おみやげを買って、昼過ぎのバス/特急で帰路へ。子連れは「帰る日はゆるめ」が鉄則です。
💰 予算めやす:おとな2人+2歳で8〜13万円目安(1泊2食の宿が中心)。バス+徒歩・タクシー中心ならレンタカー不要。富士山ビュー客室は週末・連休で高騰するので平日泊が狙い目。
甲府盆地は日本を代表するぶどうの産地。9月はぶどう狩りの最盛期で、園によっては2歳でも手が届く低い房も。午後は日本一の渓谷美とも言われる昇仙峡を歩き、夜は盆地を見おろす温泉へ。「食べる・歩く・つかる」がそろう、山梨のいいとこ取りです。

ぶどう棚の下は日陰で涼しく、頭上にたわわな房。ハサミでパチンともいで、その場で頬ばれます。何ができる?=巨峰・ピオーネ・シャインマスカットの食べ比べ、収穫体験、直売所でおみやげ購入。園により時間無制限食べ放題や量り売りも。

手にぶどうを持った薬師如来を伝える古刹で、通称“ぶどう寺”。国宝の本堂は約700年前の建築。何ができる?=静かな境内の散策、歴史ある本堂の拝観、庭からの盆地の眺め。ぶどう栽培発祥の地の由来を感じられます。

甲府市街から車で約40分。花崗岩が削られてできた渓谷で、そそり立つ岩峰覚円峰が主役。何ができる?=渓流沿いの遊歩道さんぽ、奇岩や巨石めぐり、川のせせらぎ。清らかな水と切り立った岩に、大人も思わず見上げます。

昇仙峡のクライマックス、落差約30mの滝。何ができる?=滝つぼ近くまで遊歩道で接近、水しぶきとマイナスイオン、滝上の商店街で水晶みやげや甘味。轟音と迫力に子どもも大興奮。
最終日は名物ほうとう(かぼちゃ入りの平打ち麺の煮込み)でお腹を満たして。やわらかい麺は2歳にも取り分けやすい。あとは駅前でおみやげを買って特急で帰路へ。
💰 予算めやす:勝沼〜昇仙峡は路線バスが少なくレンタカーが現実的。おとな2人+2歳で10〜14万円目安。ぶどう狩りは品種・食べ放題可否で料金が変わり、シャイン狩りはやや高め。連休は園も宿も早めの予約を。
暑さがまだ残る初秋こそ、標高の高い清里・八ヶ岳へ。真夏でも東京よりぐっと涼しく、朝晩は上着がほしいほど。広い牧草地で動物にふれ、森のなかを歩き、メリーゴーランドに乗る。子どもの体力に合わせて、ゆっくり流せる高原プランです。

新宿から特急+小海線で約3時間、または中央道で。着いたらまず高原の涼しい空気を深呼吸。何ができる?=清里駅周辺のさんぽ、ソフトクリームやジャージー牛乳、高原の景色。標高が高く、真夏でも日陰は肌寒いほど。
八ヶ岳のふもと、標高1,300mに広がる無料の牧場公園。何ができる?=羊・ヤギ・ポニー・うさぎとのふれあい、広い芝生でかけっこ、ソフトクリームや地元の乳製品。八ヶ岳と富士山を望む大パノラマも。

森のなかに、雑貨店・カフェ・レストランが点在する散策型の村。何ができる?=クラシックなメリーゴーランドに乗車、手づくり雑貨めぐり、森のカフェでひと休み、地ビールレストラン。木洩れ日の遊歩道は昼寝明けの散歩にぴったり。
最終日は森のカフェで朝食を。おみやげにジャージー牛乳やジャムを買って、昼過ぎの電車/車で帰路へ。涼しい高原の余韻を持ち帰ります。
💰 予算めやす:おとな2人+2歳で9〜13万円目安。牧場・萌木の村は入園無料が多く、現地費を抑えやすい。移動はレンタカーがあると自由度が高い(電車+バスでも回れるが本数少なめ)。
初秋は富士山がいちばんくっきり見える季節。拠点を河口湖に固定して移動が短く、2歳の遠出デビューにいちばん安心です。収穫体験と絶景なら「B・ぶどうと渓谷」、とにかく涼しく過ごすなら「C・八ヶ岳高原」。どのプランも新宿から約1.5〜3時間で、週末+1日でも十分に楽しめます。行くなら、富士が澄んで果物も旬な8月末〜9月がベストです。