フェリーで10分、鹿がのんびり歩く宮島。11月は島じゅうが赤く染まります。路面電車、うさぎの島、坂の町・尾道。2歳の「乗りもの好き・動物好き」にちょうどいい旅先です。
宮島口からフェリーに乗ると、デッキの向こうに朱色の鳥居がだんだん大きくなってきます。「おふね!」とはしゃいでいるうちに、もう到着。桟橋を出たところで、さっそく鹿がお出迎え。2歳は固まるか、追いかけるか、だいたいどちらかです。
11月の宮島は、神社の裏手の紅葉谷がいちばんの見ごろ。落ち葉を拾ってはポケットに入れる子の横で、大人は焼きたてのもみじ饅頭と、殻つきの焼き牡蠣をひとつ。島の時間はゆっくりで、ベビーカーを押しながらでも、ちゃんと「旅してる」気分になれます。
広島の街に戻れば、路面電車がゴトゴト走り、鉄板の上ではお好み焼きがじゅうじゅう。少し足をのばせば、うさぎだらけの島や、坂と猫の町・尾道も。見どころが2歳の「好き」と重なりやすいのが、広島のいいところです。
宮島・紅葉谷公園の紅葉は例年11月中旬〜下旬が見ごろ。10月でも日中は20℃前後で歩きやすく、瀬戸内は秋に晴れの日が多いのも子連れにはありがたいところ。さらに広島の牡蠣は10月ごろから解禁で、焼き牡蠣・カキフライが旬に入ります。うさぎの島(大久野島)も、涼しい季節のほうがうさぎが元気に出てきます。
注意点はひとつだけ。紅葉ピークの週末の宮島はかなり混みます。平日か、朝いちばんのフェリーで渡るのがコツです。
1日目は広島の街、2日目をまるごと宮島に。島に1泊すれば、日帰り客が帰ったあとの静かな夕方と、朝のすいた神社をひとりじめできます。移動は電車・路面電車・フェリーだけ。レンタカーなしで完結します。
羽田から広島空港まで約1時間半。空港から広島駅・バスセンターへはリムジンバスで約50分。先にホテルへ荷物を預けて身軽に。

川にはさまれた広い公園。原爆ドームから慰霊碑まで、まっすぐ見通せる軸線を歩きます。何ができる?=芝生と並木のさんぽ、川沿いでひと休み、原爆ドームを対岸から眺める。資料館は2歳にはまだ早いので、今回は外を歩くだけで十分です。
広島のお好み焼きは、生地・キャベツ・そばを重ねて焼くスタイル。鉄板前のカウンターは2歳には熱くて危ないので、テーブル席のある店を選ぶのがコツ。駅ビルや商業施設内の店なら子連れでも入りやすいです。
JRで宮島口まで約30分、フェリーは約10分。行きは鳥居に近づく航路の便(JR西日本宮島フェリーの日中便)を選ぶと、海の上から大鳥居が見えます。宮島訪問税(1人100円)が運賃に上乗せされます。
海の上に建つ朱色の社殿。満潮のときは回廊の下まで海が入り、干潮のときは鳥居の足元まで歩いて行けます。何ができる?=回廊を歩いて海と鳥居を眺める、干潮なら砂浜でカニさがし。どちらの時間に当たっても楽しめます。
神社の裏手から徒歩5分ほど。小川沿いに約700本のもみじが植わる、宮島いちばんの紅葉スポットです。何ができる?=朱色の橋の上で写真、落ち葉ひろい、川のせせらぎを聞きながら茶屋でひと休み。
瀬戸内海の生きものが主役の水族館。丸い頭のスナメリ、牡蠣いかだを再現した水槽、アシカのライブ、ペンギンやカワウソも。何ができる?=水槽にはりついて魚観察、アシカライブ、タッチプールでヒトデにさわる。
17時を過ぎると日帰りの人が帰り、島は急に静かになります。宿で早めの夕食とお風呂。余力があれば、ライトアップされた鳥居を眺めに少しだけ外へ。

紅葉谷から弥山の中腹・獅子岩まで、2本のロープウエーを乗り継いで約15〜20分。足元は色づいた原始林、振り返れば瀬戸内の島々。何ができる?=ゴンドラからの空中さんぽ、獅子岩展望台から海と島を一望。
早めに島を出るなら、広島駅から徒歩約15分の大名庭園へ。池のまわりをぐるっと一周でき、秋はもみじが水面に映ります。何ができる?=池の鯉にエサやり、石橋を渡る、茶店でひと休み。
おみやげは広島駅ビルでまとめて。もみじ饅頭は店ごとに味が違うので、ばら売りで食べくらべるのも楽しいです。空港まではリムジンバスで約50分。
💰 予算めやす:紅葉ピークの宮島の宿は早く埋まり、値段も上がります(金額は時期で変動)。宮島は日帰りにして2泊とも市内ホテルにすれば3〜4万円ほど圧縮でき、10万円前後に収まります。航空券は早割の効く2か月前までの予約が効果大。
広島空港は実は県の東寄り。尾道までは車で約50分と、広島市内へ行くのと変わりません。坂の上から海を見おろし、5分の渡し船に乗り、古い港町で鯛めしを食べる。観光地を「こなす」より、町の空気を楽しみたい家族向けです。
空港でレンタカーを借りて山陽道を東へ。チャイルドシートは予約時に忘れず指定を。尾道に着いたら、まずは駅前の海沿いでお昼の尾道ラーメン。

山麓から山頂まで約3分の空中さんぽ。足元にお寺の屋根、その先に尾道水道と向島。山頂には展望台があり、晴れた日はしまなみ海道の橋まで見えます。何ができる?=ロープウェイ乗車、展望台から船さがし、公園でおやつ。

山頂から少し下ると、岩にはりつくように建つ朱塗りの千光寺。さらに下ると、猫の絵を描いた石があちこちに置かれた「猫の細道」へ。何ができる?=鐘の音を聞く、石の猫さがし、本物の猫にも会えるかも。
対岸の向島まで、地元の人が自転車ごと乗りこむ小さな渡し船。片道100円前後、約5分。何ができる?=船に乗って降りて、また乗って帰ってくる。それだけですが、2歳にはこれがいちばんのアトラクションかもしれません。

尾道から車で約40分(昼寝タイムにちょうどいい距離)。江戸時代の石の灯台「常夜燈」が立つ、丸い入り江の港町。あのアニメ映画の舞台のモデルとも言われています。何ができる?=港の石段(雁木)で小魚さがし、古い町並みさんぽ、鯛めしや鯛の浜焼きのお昼。
港を見おろす高台の客殿。座敷に座ると、窓枠がそのまま額縁になって、弁天島と仙酔島の景色が一枚の絵のように見えます。江戸時代、朝鮮通信使が「日本でいちばんの景色」とたたえた場所です。
鞆の浦から車で約40分。キリン、ライオン、ボルネオゾウ、ペンギンなどがそろう、ほどよい大きさの動物園。何ができる?=動物を間近で観察、ふれあい広場、園内の遊具で外遊び。
レンタカーを返して空港へ。おみやげは尾道のレモンケーキや、はっさくゼリーなど柑橘ものが軽くて配りやすいです。
💰 予算めやす:入場料がほとんどかからないぶん、宿のランクで総額が決まります(金額は時期で変動)。2泊とも尾道のホテルに連泊すれば荷ほどきも1回で、10〜12万円に収まりやすいです。
瀬戸内海に浮かぶ大久野島は、数百羽のうさぎが暮らす「うさぎ島」。フェリーを降りた瞬間から、足元にうさぎが寄ってきます。島に1泊して、翌日は広島市内へ。最終日は西日本有数の広さをもつ動物園で締める、動物づくしのプランです。
空港でレンタカーを借りて、まずは竹原の町へ。お昼は町なかで、竹原名物のたけのこ料理やお好み焼きを。
塩づくりで栄えた商家が並ぶ、石畳のまっすぐな通り。観光地化されすぎておらず、人も少なめ。何ができる?=格子窓の家並みさんぽ、高台の西方寺・普明閣から町を見おろす、古民家カフェでひと休み。
車は港の駐車場に置いて、フェリーで約15分。島に着くと、草むらからうさぎがぴょこぴょこ出てきます。何ができる?=うさぎにエサやり、海沿いの遊歩道さんぽ、ビジターセンターで島の自然を知る。夕方と朝は、とくにうさぎが活発です。
朝ごはんの前後に、もういちど、うさぎたちにあいさつ。島を半周する海沿いの道はベビーカーで歩けます。11時ごろのフェリーで本土へ。
忠海から広島市内へは車で約1時間半。お昼寝の時間に合わせて出発すれば、起きたら街に着いています。夕方は路面電車にひと駅ぶんだけ乗ってみたり、平和記念公園を歩いたり。夜はお好み焼きを。

市内中心部から車で約30分、山の斜面に広がる大きな動物園。キリンやシマウマが一緒に暮らすアフリカ平原、ゾウ、ライオン、レッサーパンダ、そして国の特別天然記念物オオサンショウウオも。何ができる?=動物観察、「ぴーちくパーク」でヤギやヒツジとふれあい、芝生広場でお弁当。
動物園から空港へは高速で約1時間。夕方の便なら、動物園でたっぷり遊んでからでも間に合います。車内でお昼寝、起きたら空港。
💰 予算めやす:休暇村は1泊2食つきなので、1日目の食費がほぼ宿代に含まれます(金額は時期で変動)。休暇村は週末から埋まるので、平日泊+早めの予約が料金・空室の両面で有利です。
11月中旬〜下旬の紅葉谷は、この時期にしか見られない景色。しかもフェリー・鹿・水族館・ロープウエーと、2歳が喜ぶものが島の中に歩ける距離でそろっています。島に1泊して、朝いちばんの静かな神社ともみじを味わうのがとくにおすすめ。人混みを避けたいなら「B・尾道と鞆の浦」、動物好きの子なら「C・うさぎ島と動物園」を。どの案でも、焼き牡蠣とお好み焼きはお忘れなく。