東京から車でおよそ2時間。山は赤く染まり、温泉街には湯けむり。石段の町、湯畑、世界遺産、動物たち。2歳の「はじめての紅葉」に、ちょうどいい近さの旅先です。
関越道を北へ走ると、渋川あたりで空気が変わる。窓を少し開けると、ひんやりした山の匂い。前方の山肌はもう赤と黄色のまだら模様で、後ろの席から「あか!」と声が飛んできます。
伊香保の石段を一段ずつ数えながら登って、湯の花まんじゅうをひとつ。草津の湯畑は湯けむりがもくもく立ちのぼって、2歳には「大きなおふろ?」に見えるらしい。サファリパークでは車の窓のすぐ横をキリンが通り過ぎて、しばらく固まったあと、ケラケラ笑い出す。
近いのに、ちゃんと「旅」の顔をしている。夜は温泉であたたまって、朝は山の冷たい空気で目が覚める。秋の群馬は、小さな子と初めて紅葉を見に行く週末に、いちばん無理のない選択肢だと思います。
群馬の紅葉は標高差が大きく、10月中旬に谷川岳・吹割の滝、10月下旬〜11月上旬に伊香保・榛名・草津、11月中旬に高崎・富岡の平野部と、およそ1か月かけて山から里へ降りてきます。つまり10〜11月なら「どこかで必ず見頃」。朝晩は冷えますが日中は10〜15℃前後で、外遊びと温泉の両方が気持ちいい時期です。伊香保の河鹿橋(かじかばし)は例年11月上旬にライトアップされ、夕方の散歩がそのまま紅葉狩りになります。人気の宿は土曜が埋まりやすいので、狙うなら平日泊か早めの予約を。
伊香保温泉に2泊して、中日に谷川岳と吹割の滝へ足をのばす組み立て。移動は1日1時間前後に抑え、宿に戻ればすぐ温泉。紅葉の「量」がいちばん多いプランです。
関越道で北へ。お昼寝の時間に合わせて出発すると、車内で寝てくれて着いたら元気。渋川伊香保ICを降りて20分で温泉街です。

365段の石段を、途中の店をのぞきながらゆっくり登ります。湯の花まんじゅう、射的、足湯。上まで登ると伊香保神社、さらに10分歩くと紅葉の名所・河鹿橋。何ができる?=石段のぼり、足湯、まんじゅうの食べ比べ、夕方の紅葉ライトアップ。

伊香保から車で約1時間。ふもとの土合口駅から約10分のゴンドラで、標高1,300mの天神平へ。窓の下は一面の紅葉、正面に谷川岳の岩肌。何ができる?=ゴンドラ乗車、天神平の平らな散策路をさんぽ、山を見ながらおにぎり。

水上から車で約50分。川の真ん中がV字に裂けて、そこへ水が吸い込まれていく珍しい滝。遊歩道を10分ほど歩くと目の前に。何ができる?=滝の音を全身で浴びる、遊歩道さんぽ、紅葉と滝の写真。
伊香保から山道を車で約20分。火口湖のまわりを紅葉が囲み、正面にきれいな三角形の榛名富士。湖畔は平らな遊歩道と広い駐車場。何ができる?=湖畔さんぽ、白鳥ボート、榛名山ロープウェイ(約3分)で山頂へ。
💰 予算めやす:家族で9〜12万円前後(紅葉の土曜泊は上がりやすい)。平日泊や2泊目を素泊まりにすると10万円以内に収まります。ロープウェイは往復大人約3,000円・幼児無料の場合が多い(要確認)。金額は時期で変動します。
草津温泉に2泊し、車をほぼ動かさない滞在型プラン。湯畑を中心に、湯もみショー、西の河原公園、小さな動物園がぜんぶ徒歩圏。夕方と朝のふたつの顔の湯畑を見るのが目的です。
関越道 渋川伊香保ICから国道353・145・292号で草津へ。途中1〜2回休憩を挟んで約3時間。運転が長いと感じるなら、新幹線で軽井沢まで行き、バスかレンタカーに切り替える手も。

街のど真ん中で、木の樋(とい)に湯が流れ、もうもうと湯けむり。まわりをぐるりと歩道が囲み、足湯や土産物屋、温泉まんじゅうの店が並びます。何ができる?=湯畑ぐるり一周、足湯、温泉たまご、夜のライトアップ。

湯畑のすぐ横。熱い源泉を水で薄めず、長い板でかき混ぜて冷ます伝統の「湯もみ」を、草津節に合わせて実演。約20分。何ができる?=ショー鑑賞、板を持って湯もみ体験(日により)。

湯畑から徒歩10分。あちこちから温泉が湧き、湯の川がそのまま公園の中を流れています。紅葉に囲まれた遊歩道、足を入れられる湯だまり、奥には広い露天風呂。何ができる?=湯の川さんぽ、足湯、紅葉、露天風呂。

湯畑から徒歩5分。温泉の熱で温めた大きなドームの中に、フラミンゴ、カピバラ、サル、ワニ、ヘビ。外は寒くても中は南国です。何ができる?=動物観察、ニホンザルの放飼場、ドクターフィッシュ体験。
朝の湯畑は人が少なく、冷えた空気に湯けむりがいちばんよく映えます。チェックアウト後は寄り道せずに帰るか、途中の八ッ場ダムで休憩して約3時間。
💰 予算めやす:家族で10〜13万円前後。草津は宿代がやや高めなので、平日泊+朝食のみのプランにして夕食は温泉街で食べると圧縮できます。新幹線利用なら交通費は3人で往復約3万円。金額は時期で変動します。
高崎・富岡エリアに拠点を置き、群馬サファリパークと富岡製糸場をメインに回るプラン。紅葉は平野部なので11月中旬が見頃。動物と歴史とだるま。子どもの「見てわかる大きさ」が続く2泊です。
関越道から上信越道へ。富岡ICを降りて10分。新幹線なら高崎まで50分、そこから上信電鉄で約40分の上州富岡駅へ。
1872年にできた日本初の本格的な製糸工場で、世界遺産。長いレンガの建物と、ガラス窓が並ぶ繰糸所の中を歩けます。何ができる?=建物見学、繭から糸を取る実演、蚕(かいこ)の展示、門前のまちなかで昼ごはん。

富岡製糸場から車で約15分。自家用車のまま園内を走り、キリン、シマウマ、ライオン、ホワイトタイガーが窓のすぐ横を通ります。何ができる?=マイカーでサファリ、エサやりバス、ふれあいコーナー、小さな遊園地。
安中市の磯部温泉へ。温泉記号(♨)発祥の地とされる小さな温泉地で、川沿いの静かな宿が並びます。

磯部温泉から車で約30分。観音山の上に立つ、高さ41.8mの白い観音さま。中に入って肩の高さまで登れます。参道には土産物屋、周りは11月中旬から紅葉。何ができる?=観音さまの胎内めぐり、参道さんぽ、展望。
観音山から車で約15分。高崎だるまの発祥の寺で、本堂まわりに大小の赤いだるまが並んでいます。境内で絵付け体験も。何ができる?=だるま探し、絵付け体験、紅葉の境内さんぽ。帰りは高崎ICから関越道で東京へ約1時間半。
💰 予算めやす:家族で8〜11万円前後と3案でいちばん抑えやすい。サファリはマイカー入園なら大人1人約3,000円、3歳未満無料。1泊を高崎のビジネスホテルにすると8万円以内も現実的。金額は時期で変動します。
紅葉の量と質でAが頭ひとつ抜けています。宿を伊香保に固定して、中日だけ谷川岳と吹割の滝へ。10月中旬〜下旬に行けるなら迷わずA。移動を最小にしたいなら「B・草津」、動物好きで11月後半になりそうなら「C・サファリと世界遺産」。どのプランも東京から半日圏なので、天気を見て1週間前に決められるのが群馬のいいところです。