新幹線で1時間。空気が澄む11〜12月は、雪をかぶった富士山が一年でいちばんよく見える頃。カピバラの露天風呂、みかん狩り、冬のイルミネーション。2歳と「ちょうどいい」近場の2泊です。
こだまの窓から、ふっと白い頂が見えた瞬間に「あ、富士山」と車内のあちこちで声が上がる。11月の静岡は、そんな小さな歓声から旅がはじまります。夏はもやで隠れがちな富士山が、この時期は朝から夕方まで輪郭くっきり。2歳の子が指をさして「やま!」と言うのを聞くだけで、来てよかったと思えてしまう。
伊豆高原では、湯気の立つ露天風呂にカピバラがどぷんと浸かって目を細めている。柚子を頭にのせたまま動かない姿に、大人の方がくぎづけになります。みかん畑では手の届く高さに実がなっていて、2歳でも自分でもぎ取れる。皮をむいてあげると、口いっぱいに頬張ってもう1個、とせがんでくる。
海沿いの街は12月でも日中は15℃前後。コートは要るけれど、浜辺で石を拾ったり、公園のローラーすべり台を何度も滑ったり、外遊びがまだちゃんとできる。日が落ちたらイルミネーションを見て、温泉宿に戻って早めに布団へ。遠出じゃないのに、しっかり「旅した」気持ちになれる3日間です。
富士山が見える確率が年間でいちばん高いのが11〜1月。湿度が下がり、冠雪した山頂が青空に映えます。さらに 伊豆シャボテン動物公園のカピバラ露天風呂は例年11月下旬スタート、伊東・宇佐美のみかん狩りは10〜1月が最盛期、伊豆高原のグランイルミや浜松フラワーパークの冬イルミネーションも11月から。しかも静岡沿岸は温暖で、12月の日中は12〜15℃。雪や凍結の心配がほぼなく、ベビーカーで外を歩ける冬の旅先です。年末年始を外した11月中旬〜12月中旬が、空いていて宿も取りやすい狙い目。
東京から熱海まで新幹線で45分、そこから伊東線で40分ほど。伊豆高原は見どころが半径10km以内にまとまっていて、2歳連れでも移動で疲れません。カピバラ、リフト、吊り橋、みかん狩り、夜はイルミネーション。小さな子が喜ぶものがぎゅっと詰まったエリアです。
こだまで熱海へ。2歳は膝上なら新幹線無料。熱海駅前の商店街で温泉まんじゅうや干物をつまみながら早めのお昼に。

駅から坂を下って海へ。冬のサンビーチは人が少なく、ヤシの木の遊歩道で貝がらや石を拾って遊べます。余裕があれば樹齢2000年の大楠がある来宮神社へ(駅から1駅・来宮駅すぐ)。何ができる?=砂浜あそび、海を見ながらベンチでおやつ、大楠を一周。
熱海から伊豆急行で伊豆高原駅へ(直通で約45分)。お昼寝のあいだに到着。初日は宿の温泉と夕食でのんびり。

「カピバラの露天風呂」発祥の動物園。冬は毎日、湯船に浸かるカピバラを柵のすぐ前で見られます(入浴タイムは午前と午後、公式で要確認)。園内は放し飼いのクジャクやリスザルが足元を歩き、カピバラへのエサやり(有料)、カンガルーやアルパカとのふれあいも。何ができる?=カピバラ鑑賞、エサやり、池のボート遊覧、温室のサボテン散歩。

シャボテン公園の目の前(徒歩3分)。お椀をふせたような草山をリフトで登ると、360度ぐるり。晴れた日は富士山・南アルプス・伊豆七島まで見えます。何ができる?=リフト乗車、山頂のお鉢めぐり(1周約1km・20分)、山頂売店の軽食。

大室山から車で約15分。黒い溶岩の断崖に白い波がぶつかる、伊豆屈指の絶景。駐車場から吊り橋までは平坦な道で徒歩10分ほど。何ができる?=つり橋を渡る、灯台展望台に登る(無料)、海を見ながらおやつ。
城ヶ崎から車で約10分。日が暮れると広い園内が光の海に。歩いて楽しむ光のトンネルや、動く光のショーは2歳が立ち止まって見入ります。何ができる?=光の中を散歩、光のスライダー(大人同伴)、園内のあったかい軽食。
熱海寄りの宇佐美エリアには観光みかん園が点在。11〜12月は早生みかんの食べごろで、時間無制限食べ放題の園が多め。何ができる?=低い枝から自分でもぐ、その場でむいて食べる、おみやげ袋詰め。
熱海駅でお昼を食べて、お昼寝タイムに合わせてこだまへ。15時前には東京に着きます。
💰 予算めやす:新幹線は大人2人往復で約1.6万円(2歳は膝上無料)、レンタカー2日で約1.5万円。宿はリゾナーレ系なら上限寄り、貸別荘なら下限寄り。平日泊+11月中旬なら宿代が2〜3割下がります。金額は時期・プランで変動します。
東京から静岡駅まで新幹線ひかりで約1時間。日本平の丘から、三保の砂浜から、動物園の園路から、ことあるごとに富士山が顔を出す行程です。レッサーパンダ、日本一長いローラーすべり台、ロープウェイ。2歳が飽きない仕掛けと、大人がしみじみする景色がセットで回れます。
ひかりなら約1時間。静岡駅でレンタカーを借りて、まずは海側へ(三保まで車で約35分)。

富士山の構成資産として世界遺産に登録された松原。駐車場から「神の道」の木道を歩き、羽衣の松を過ぎると砂浜に出ます。何ができる?=砂浜で石や貝を拾う、松林の木道さんぽ、ガイダンス施設「みほしるべ」で休憩。
三保から車で約15分。マグロ水揚げ日本一の清水港で、市場の食堂街で海鮮丼のお昼。隣のドリームプラザには「ちびまる子ちゃんランド」と観覧車があり、午後の屋内あそびに。何ができる?=海鮮ランチ、まる子の教室で遊ぶ、観覧車から港と富士山。

レッサーパンダの飼育で有名な、国内でも評判の高い市営動物園。ホッキョクグマやアムールトラが泳ぐ・歩く姿をガラス越しに真下から見られる「猛獣館299」が名物。園内には全長390mの日本一長いローラースライダーとふれあい動物園も。何ができる?=動物観察、ヤギやモルモットとのふれあい、ローラースライダー(大人と一緒に)、芝生でお弁当。

動物園から車で約10分、日本平の山頂へ。隈研吾設計の木造展望施設「夢テラス」は入場無料で、360度の回廊から富士山・駿河湾・清水港を一望。すぐ隣の駅からロープウェイで久能山へ下ります。何ができる?=富士山を正面に見ながら休憩、展望回廊をぐるり、ロープウェイ乗車。

家康が眠る、日光より古い東照宮。朱と金と極彩色の社殿は国宝で、海側の石段からは駿河湾が足元に広がります。何ができる?=参拝、社殿の彫刻さがし、博物館で家康の洋時計を見る。
静岡駅から徒歩15分、家康が晩年を過ごした城跡の広い公園。お堀端を散歩して、復元された巽櫓や芝生広場で遊ぶ。何ができる?=広場でかけっこ、お堀の鯉にあいさつ、紅葉山庭園で抹茶とお菓子(11月は紅葉が見ごろ)。
駅近くの青葉横丁や駅ビルで、黒はんぺんの静岡おでんや桜えびのかき揚げを。13時台のひかりに乗れば14時半ごろ東京着。
💰 予算めやす:新幹線は大人2人往復で約2.4万円、レンタカー2日で約1.5万円。入園料は2歳無料ばかりなので現地費は食事が中心。日本平ホテルに1泊+駅前に1泊の組み合わせで、景色と利便性を両取りしつつ費用も抑えられます。金額は時期・プランで変動します。
静岡県の西のはし、浜名湖。舘山寺温泉を拠点にすると、動物園・フラワーパーク・遊園地・ロープウェイが車で10分圏内に全部そろいます。うなぎ、浜名湖の牡蠣、うなぎパイの工場見学。食いしん坊の家族ほど満足度が上がるプランです。
ひかりで約1時間半。浜松駅でレンタカーを借りて郊外へ。

浜松駅から車で約20分。ガラス越しに、うなぎパイが焼かれて袋詰めされるラインを見学。入口でお土産にうなぎパイが1枚もらえます。何ができる?=工場ライン見学、巨大うなぎパイのオブジェで写真、カフェでうなぎパイのパフェ。
浜名湖周辺はうなぎ店が多く、個室や座敷のある店なら2歳連れでも落ち着けます。午後は宿にチェックインして湖を見ながらのんびり。

舘山寺温泉から車で5分。キリン・ゾウ・ライオンなど定番がそろい、国内で唯一飼育のゴールデンライオンタマリンも。坂の多い園内から浜名湖が見渡せます。何ができる?=動物観察、ふれあい広場、湖を見ながらお弁当。

動物園の隣。広い園内を走る「フラワートレイン」に乗って一周し、大温室で南国の花を見て、芝生広場でひと遊び。11月下旬からは園内がイルミネーションで彩られます。何ができる?=フラワートレイン乗車、温室さんぽ、大きな芝生で走る、噴水ショー。
宿から歩いて行ける湖畔の遊園地。メリーゴーラウンドや小さな汽車など、2歳が大人と一緒に乗れるアトラクションが多め。観覧車からは浜名湖に沈む夕日。何ができる?=はじめての遊園地、観覧車、かんざんじロープウェイで大草山へ(遊園地内から乗れる)。
宿の裏山にある小さなお寺・舘山寺と、湖に沿った遊歩道を朝のうちに散歩。何ができる?=湖を見ながらのんびり歩く、カモやサギさがし、浜名湖の牡蠣小屋で牡蠣(11〜3月、大人のお楽しみ)。
舘山寺から浜松駅まで車で約40分。駅周辺で円盤に並んだ浜松餃子を食べて、13時台のひかりへ。15時ごろ東京着。
💰 予算めやす:新幹線は大人2人往復で約3.4万円と3案でいちばん高め。そのぶん入園料はほぼ無料枠で、食(うなぎ・牡蠣)に予算が寄ります。宿は2泊同じ宿の連泊割を狙うと1〜2万円下がることが多い。金額は時期・プランで変動します。
カピバラの露天風呂は11月下旬からの季節限定、みかん狩りは今がまさに旬、大室山の富士山は冬がいちばんくっきり。この3つが全部そろうのは、年に数週間だけです。しかも熱海まで新幹線45分で、2歳の移動負担が3案で最小。富士山を主役にするなら「B・日本平」、遊園地デビューと食を楽しむなら「C・浜名湖」。狙い目は宿が取りやすく空いている11月中旬〜12月中旬の平日がらみです。