宇治橋の鳥居から昇る朝日、おかげ横丁の湯気、ジュゴンに会える水族館。そして帰り道には、日本最大級の光の庭。2歳と歩く晩秋の三重は、やさしくて、あたたかい。
近鉄特急の窓に、だんだん海が近づいてくる。鳥羽に着くころには、潮の匂いがもう改札まで届いていました。駅から歩いて水族館へ。大きな水槽の前で足を止めた2歳が、ゆっくり泳ぐジュゴンを指さして「おっきい」と言う。それだけで、来てよかったと思える午前中。
翌朝は伊勢神宮へ。玉砂利を踏む音、杉の木立のあいだに差す低い冬の光。参道はベビーカーでも進めるし、疲れたら抱っこで木を見上げるだけでいい。お参りのあとは、おかげ横丁で焼きたての赤福と伊勢うどん。手のひらで湯気をあたためながら、路地の屋台をのぞいて歩く。11月下旬の伊勢は、紅葉の名残と、冬の澄んだ空気と、人の少なさがちょうどいいのです。
帰り道にひとつ寄り道をするなら、なばなの里。日が落ちると、200mの光のトンネルがぽっと灯ります。暗くなるのが早い季節だから、2歳の寝る時間までにしっかり見られる。これが、冬の三重をすすめるいちばんの理由かもしれません。
11月中旬〜12月上旬は伊勢神宮の紅葉がいちばんきれいな頃。内宮の五十鈴川沿いやおかげ横丁の路地が色づきます。伊勢えび漁は10〜4月が旬で、鳥羽・志摩の宿で「伊勢えびの舟盛り」が食べられる季節。そしてなばなの里のイルミネーションは10月下旬〜翌5月で、日没が早い11〜12月は17時前に点灯。2歳の生活リズムを崩さず夜景が見られる、年に数か月だけの好条件です。晩秋の三重は日中10〜17℃前後と穏やかで、屋外も歩きやすい。年末年始の混雑に入る前の、11月下旬〜12月中旬が狙いめです。
鳥羽を拠点に、水族館とお伊勢参りをゆっくり2泊で。どちらも駅から近く、レンタカーなしで回れます。午前にお出かけ、午後は宿でお昼寝、という2歳のリズムを守りやすい組み立てです。
新幹線のぞみで名古屋まで約1時間40分、近鉄特急に乗り換えて鳥羽まで約1時間40分。名古屋で駅弁を買って、近鉄の車内でお昼にすると時間がきれいにつながります。

飼育種類数が日本最多クラスの大型水族館。順路がなく、気になる水槽だけ自由に回れるのが子連れにはありがたい。何ができる?=日本で唯一のジュゴン、ラッコ、アシカショー、カピバラやスナドリネコといった「水辺の動物」も。鳥羽駅から徒歩約10分。
海の見える宿へ。晩ごはんは伊勢えびか、鳥羽の牡蠣(11月から旬)。部屋食か個室食事処の宿を選ぶと、2歳がぐずっても気がラクです。
鳥羽から近鉄で伊勢市駅へ約15分、バスで内宮前へ約20分。宇治橋を渡り、五十鈴川の御手洗場で手を清め、杉並木を抜けて正宮へ。何ができる?=玉砂利の参道さんぽ、川辺で水に触れる、神鶏(放し飼いのニワトリ)さがし。11月下旬は宇治橋周辺や川沿いのもみじが見頃です。
内宮の宇治橋から歩いてすぐ。石畳の通りに、赤福本店、伊勢うどん、てこね寿司、松阪牛の串、焼き牡蠣の屋台が並びます。何ができる?=食べ歩き、太鼓櫓の演奏、おかげ座(神話の館)、紙芝居に出会えることも。
午前中にしっかり歩いたので、午後は宿へ戻って昼寝タイム。目が覚めたら鳥羽湾のさんぽや、宿の温泉へ。無理に予定を入れないのが2泊旅のコツです。

鳥羽から電車で2駅(JR二見浦駅から徒歩約15分)。海沿いの参道を歩いた先に、しめ縄で結ばれた大小2つの岩。何ができる?=境内のカエル像さがし(たくさんいる)、浜辺の石ひろい、波打ちぎわさんぽ。
名古屋駅で味噌カツやきしめんを食べて新幹線へ。おみやげは赤福(名古屋駅でも買える)と、鳥羽の真珠の小物。
💰 予算めやす:家族で12〜17万円(2歳は交通・入館ともほぼ無料)。圧縮のコツ=近鉄の「まわりゃんせ」(伊勢志摩周遊きっぷ)で近鉄区間+鳥羽水族館など入場がセットになり1人1万円前後お得。新幹線はEX早特21で2割引。宿は平日や12月前半が安い。金額は時期・宿で変動します。
観光より「休む」が目的の家族に。志摩半島の先、英虞湾(あごわん)沿いのリゾートに連泊し、午前だけ少し出かけて午後は宿で過ごす。伊勢えびの旬ど真ん中なので、晩ごはんが旅のメインになります。
名古屋から近鉄特急で賢島まで約2時間。観光特急「しまかぜ」なら展望車両やカフェ車両があり、移動そのものがアトラクションになります(要予約・人気)。
チェックイン後は館内のプールやキッズスペース、湾を望むテラスへ。日没は16:45頃と早いので、お風呂の前に夕日を見て、晩ごはんの伊勢えびへ。

英虞湾に浮かぶ60の島と真珠いかだを見下ろす、志摩いちばんの展望スポット。何ができる?=広いウッドデッキで景色を眺める、横山天空カフェテラスでコーヒー、周辺の遊歩道さんぽ。賢島から車で約10分。

横山展望台から車で約15分。スペインの街並みの中に、小さな子向けの乗り物が集まった「キッズエリア」があり、2歳でも乗れる回転系が充実。何ができる?=メリーゴーラウンド、ミニ列車、パレード、キャラクターとの触れ合い。
午後は宿で。伊勢えびは10〜4月が漁期で、この時期は刺身・鬼殻焼き・味噌汁と、いろんな食べ方で出てきます。

賢島から近鉄で鳥羽へ約25分、駅から徒歩5分。世界ではじめて真珠の養殖に成功した島で、何ができる?=海女さんの素潜り実演(1時間おき程度)、真珠博物館、島内さんぽ。鳥羽駅に荷物を預けて身軽に。
鳥羽から近鉄で名古屋へ。帰りは2歳の昼寝タイムに重ねると静かに移動できます。
💰 予算めやす:宿にお金をかけるプランなので家族で15〜24万円。圧縮のコツ=しまかぜは片道だけにして帰りは通常特急に。宿は「伊勢えび1尾付き」の平日プランが12月前半に多い。レンタカーなしなら宿の送迎とタクシーで1万円程度。金額は時期・宿で変動します。
三重の北の端、桑名・長島エリアに2泊。日本最大級のイルミネーションと、アンパンマンミュージアムのある大型リゾートが隣同士です。名古屋から近いので移動がいちばん短く、「冬のお出かけ感」をしっかり味わえます。
新幹線で名古屋へ、名鉄バスセンターから直行バスでナガシマへ約50分。宿に荷物を置いて、夕方からなばなの里へ(宿からシャトル or 車で約10分)。

日本最大級のイルミネーション。何ができる?=全長200mの光のトンネルを歩く、池に映る光の庭、年ごとに変わる大型テーマ演出、地上45mまで上がる展望台「アイランド富士」。足湯や温泉(里の湯)もあって冷えた体をあたためられます。
ナガシマスパーランドの隣。名前は「名古屋」ですが所在地は三重県桑名市です。何ができる?=アンパンマンごう(乗り物)、パン工場のごっこ遊び、キャラクターのステージショー、ジャムおじさんのパン工場で顔パン。屋外パークは2歳がちょうど楽しめるサイズ感。

絶叫系で有名ですが、小さな子向けの「キッズタウン」に2歳が乗れる乗り物が30種類以上。昼寝を挟んで、夕方は隣接の日帰り温泉「湯あみの島」へ。何ができる?=ミニ観覧車、こども列車、メリーゴーラウンド、露天風呂で体をあたためる。

長島から車で約40分(電車なら名古屋経由で約1.5時間)。F1で有名なサーキットの隣に、幼児向けの遊園地「モートピア」。何ができる?=2歳から自分で運転できるバイクや車型の乗り物、プッチタウン、観覧車からコースを一望。
名古屋駅でひつまぶしか味噌煮込みうどんを食べて新幹線へ。電車移動の家族は鈴鹿を省いて、午前ゆっくり帰るプランでも十分です。
💰 予算めやす:家族で12〜18万円。圧縮のコツ=ナガシマ系列の宿に泊まるとなばなの里の入村券やスパーランドのパスポートが付くプランがあり、別買いより数千円浮く。新幹線はEX早特21で。12月の土曜はイルミが混むので、平日泊が快適で安い。金額は時期・宿で変動します。
水族館とお伊勢参りが駅から徒歩圏に収まり、公共交通だけで無理なく2泊できます。晩秋の内宮の朝と、おかげ横丁の湯気は、この季節ならでは。とことん休むなら「B・志摩リゾート」、イルミネーションと遊園地なら「C・北の三重」。どの案でも、行くなら11月下旬〜12月中旬の平日がいちばんおすすめ。紅葉の名残、伊勢えびの旬、早い点灯、年末前の静けさがそろいます。